
鏡の中の騎士と ひだまりの少女
acoustic pop‑rock ballad, intimate bar‑room ambience, soft piano & nylon‑string guitar, soulful Female vocal, reflective mid‑tempo

鏡の中の騎士と ひだまりの少女
acoustic pop‑rock ballad, intimate bar‑room ambience, soft piano & nylon‑string guitar, soulful Female vocal, reflective mid‑tempo
Lyrics
Verse 1
ラウンジの低い照明の中 氷が溶ける音だけが響いてた
「…カズちゃん?」 カウンター越し、
不意に呼ばれた懐かしい愛称(なまえ)
振り向けば そこには 見違えるほど 綺麗になった「彼女」が立っていた
かつての 小さな三つ編みはもうない
大人の香水を纏(まと)った ひとりの女性(ひと)
私はグラスを持つ指を わずかに震わせ
「カズちゃん」という 昔の仮面を
もう一度 鏡の中から 呼び戻す
Pre-Chorus 1
吸い込まれるような その瞳は
あの日 ロイヤルホストで笑っていた 幼い少女の光を 閉じ込めたまま
私は あの頃よりも ずっと 「女」である自分の身体(からだ)を 呪っている
Chorus 1
あと少しで 家族になれたのかな
壊れた器(からだ)でも 母になりたかった
けれど 私には 越えられない壁があった
父さんの隣で 「女」でいることができなかった
愛しているのに 触れられない
透明な境界線が 私たちを隔てていた
Verse 2
3人で過ごした 週末の午後
3DSの 小さな画面が 言葉にできない 想いをつなぐ窓だった
「一緒に狩ろうよ」 私はあなたを誘った
あの時 私は 産めない絶望も 役割という檻も
すべて忘れて あなたを守る 騎士(ナイト)になれた
あなたの父さんの 指先が触れるたび
私の肌は 氷のように 剥がれ落ちていった
愛したいのに 抱かれたくない
その矛盾に 焼き尽くされながら
画面の中の草原だけを 共に駆けた
Pre-Chorus 2
「カズちゃんがいなくても、狩れるようになったよ」
ドアの向こうへ消えた 小さな強がり
愛おしさと 申し訳なさが 溢れ出して
私は リビングのソファーで 立ち尽くした
身体が伴わない愛は 罪なのだろうか
Chorus 2
「ごめんなさい」と 唇を噛んだ夜
私は 母であることを 諦めたんじゃない
あなたの「カズちゃん」を 殺してしまったんだ
壊れた器(からだ)で 愛を注ごうとして
結局 あなたを 置き去りにしてしまった
あの日のあなたの涙 今も消えない
Bridge
「新しいお母さん、すごく優しいの」
大人の女の微笑みで 語るあなた
救われたのは 私の方かもしれない
私がなれなかった「正解」の家族の中で
あなたが 今 幸せに咲いていることが
暗い砂漠を歩く 私の 唯一の勲章(しるし)
Outro
ラウンジの微かな灯り 彼女を照らす
本当に 綺麗になったね
画面の中の冒険は 遠い日の幻
幸せでいてね 愛しき 私の戦友(とも)よ
「元気でね」
声に出さず 祝福を
12年越しの 再会に 静かな乾杯を
