
たぶん故郷は、
Unknown

たぶん故郷は、
Unknown
Lyrics
イントロ
長い間、帰ってこなかった。
たくさんの顔、
たくさんの駅、
誰も残らなかった夜。
そして、ある日わかる。
人を疲れさせるのは距離じゃない。
どこにいても
「大丈夫なふり」をすることだと。
ヴァース 1
幸せな人たちは、
世界で何かを見つけて帰ってくる。
僕は帰ってきた。
たくさんの思い出と、
傷だらけの心だけを持って。
世界は広かった。
でも、本当に安らげる場所はなかった。
騒がしすぎる街。
多すぎる人。
互いを見つめながら、
誰も本当には見えていない。
その疲れを僕は、
濡れたコートみたいに肩にかけている。
プレコーラス
でも、ここでは雨の匂いさえ懐かしい。
古い道は、まだ僕の足音を覚えている。
川は昔のまま、ゆっくり流れている。
時間がまだ敵じゃなかった頃みたいに。
コーラス
たぶん故郷は、
人を癒したりしない。
ただ静かに、
傷に手を置いて
何も言わないだけ。
帰るっていうのは、
ほんの少しだけ
戦わなくてよくなることなのかもしれない。
それだけで、
十分なのかもしれない。
ヴァース 2
母の家はまだそこにある。
ただ、昔より静かになった。
窓は小さく見えて、
人は歳を取り、
抱きしめ方も少し優しくなった。
兄は仕事の話をして、
妹は遠くへ行きたいと言う。
その会話の間には、
人生が少しずつ僕たちを離していったことが残っている。
それでも——
みんなで食卓を囲み、
パンを回し合って、
特別なことは何も話さない時間の中で、
世界は突然、
少しだけ元に戻る。
間奏
昔は思っていた。
愛は軽いものだと。
映画のためのもの。
歌のためのもの。
夏に窓を開ける若者たちのもの。
でも本当の愛はたぶん、
もういなくても生きていけるのに、
それでも誰かを恋しく思うことだ。
ヴァース 3
古い庭の裏の小川には、
今もあの木のベンチが残っている。
昔の僕はそこで、
人生がいつ始まるんだろうって待っていた。
今ならわかる。
人生はずっと前から始まっていた。
待っている間も。
去っていく間も。
誰かを失っていく間も。
ブリッジ
消えない傷もある。
ただ僕たちは、
それに少し優しく触れる方法を
覚えていくだけだ。
本当に人を変えるものは、
静かには痛まないから。
ラストコーラス
きっと人は、
希望して、
傷ついて、
愛して、
それでも歩き続けるために生まれてきた。
完全には癒えない心を抱えて。
火傷みたいな記憶を抱えて。
ポケットに寂しさを入れながら。
それでもその奥には、
まだ残っている。
小さくて、温かい「帰る場所」の感覚が。
アウトロ
僕は勝者として帰ってきたわけじゃない。
ただ、ようやく理解した人間として帰ってきた。
故郷は場所じゃない。
どんなことがあっても、
まだ自分を覚えていてくれるものなんだ。
