ここで時が 崩れていく
廃駅の 回廊で
色褪せた 地図の上に
静かに 埃が降る
青いシグナル 奥の方で
墓標のように 灯る
風が裂いてく 新聞の
見出しの骸を
僕らは部屋を 出ていった
鍵を残して 入口に
街は息を 吐きながら
自由に酔って 揺れていた
聞けよ 響き
聞けよ 金属
ここで鉄は
歌いたがる
虚無の中で
光消える
僕らはいない
ここには
誰もいない
もういない
上のフロア 風が抜けて
古びたカーテン 裂いてく
空の部屋に 響くだけ
無駄な言葉を 削る
コンクリートの 壁の中
叫びも秘密も 沈んだ
それでも街は 暗闇で
ただの信号 無機質に
鉄はまだ 残してる
手の温もりと 息を
やがて静寂が 満ちていく
この構造の すべてに
終末時計 止まったまま
精度の果てに 触れている
僕らは名前の 残響で
最後の夜を 待っていた
静寂も 答えだ
誰も…
ここにはもう…
いない