風が惑う 白い窓辺
声もなくて 夏の終わり
指の先で 光を寄せ
私ひとり 灯をともす
名前もまだ 知らぬままに
空を見上げ 息を吐いた
ここにいるから
灯火はいま 胸の中に
やさしさだけが 残る灯り
泣かぬようにと 手を合わせて
あなたを想う 夜のすみに
あなたを想う 風の中で
花の匂いが 消えぬように
遠い空へと 声を飛ばし
答えはいらず ただ望むの
膝の上で 手をあたため
何も言えぬ ゆらぐ光
夢の狭間 少しだけど
あなたの影 触れられたの
許せぬまま 生きてきたが
私はいま 灯を浴び
あなたのために
追憶の空 この手伸ばす
夏の光が 夢をほどく
悲しいよりも あたたかかった
あなたの命 いまも灯る
灯火ひとつ そっと捧ぐ
静かな夜に 息をひそめ
また会う日まで この灯りを
ただそっとだけ 守らせてね