人ごみを避けて 団地の影で
一人きりの夜に 光を探す
「きれいだね」って言う相手もいないから
空へ放った言葉は 風に散る
花火がはじける音に 胸が揺れて
その一瞬だけ 心が震えた
遠い花火 きれいで 痛い
この距離のままじゃ 触れることもできない
恋はまだ 知らない景色の向こう
手を伸ばせば 光は指先で消える
それでも それでも きれいだ
川辺の笑い声は 知らない未来
浴衣の背中が 夢のように遠い
友達という言葉さえも
胸の奥で 溶けていく幻
花火がはじける音が 空を満たし
私の孤独を さらに染めていく
遠い花火 きれいで つらい
近づくほどに 寂しさが増していく
恋という名の灯を知らないまま
夜の闇に 取り残されていく
数えていた 赤や金の輪は
届かない夢を 並べたみたいで
涙のしずくを こぼすたびに
心の奥で 小さな音がした
遠い花火 きれいで 切ない
誰にも届かない光が 私を包む
いつか恋を知る日が来ても
この夏の孤独は 消えずに残るだろう
それでも ひとり見上げた今だけは
きれいだ――遠いままで
音が消えたあと 空はただ暗く
胸の奥だけ 少し熱いまま