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余計なお世話

Unknown

Tomekantyou·4:14

Lyrics

市立図書館から借りた推理小説を読んでいたら

その本の途中にボールペンで書き込みがあった。

ある登場人物の名前を四角く囲み、下手糞な字で

こいつが犯人

世の中には親切な人がいるものだ。

ぜひとも、厚くお礼を申さねばなるまい。

というわけで、これを書き込んだ奴が誰なのか

犯人捜しをすることにしたのだ。

まず、人物分析。

どう考えても、いやな奴であることは確信できる。

こいつと共同生活だけはしたくない。

マナーは守らず、自分勝手で、近所迷惑な嫌われ者。

自転車泥棒や万引きくらい、平気でやりそうだ。

この推理小説を読み終えたくらいだから

それほど知能が低いわけではあるまい。

しかし、この字の下手糞さ加減からすると

先天的にだらしない感じはする。

詳細な筆跡鑑定もしてみる。

筆圧やペンの流れからのタイプ分類。

どうやら犯人は左利きで、男性である可能性が高い。

その他、この推理小説の内容、作家の傾向なども考慮。

年齢や家族構成、学校または職業の範囲など

とりあえずの大まかな仮説的人物像を割り出す。

友人の知り合いの自称ハッカー君を崇め奉り

市立図書館の登録データ、貸し出し情報を不正入手。

近所の小学生をそそのかし、少年探偵団を結成。

容疑者たちの張り込み、聞き取り調査。

その他、なんだかんだ半年近くも手間取ったが

ほぼ犯人を特定することに成功した。

ただし、限りなく黒に近い容疑者がふたり。

どちらが犯人であっても不思議ない。

どちらが犯人だとしても納得できてしまう。

悩んだ末、ふたりの容疑者のどちらにも

匿名の手紙を送ることにした。

宛先の本人の名前をパソコンとプリンターで印刷し

その活字をボールペンで四角く囲み、下手糞な字で

おまえが犯人

これだけ。

それにしても、まさか

あんな結果になるとは思いもしなかった。

ひとりの容疑者は

ある強盗傷害事件の真犯人として自首。

もうひとりの容疑者は

なんと自殺してしまったのだ。

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