放課後の教室
ビーカーに落ちる雫
光をすくう水面
ペンの回る音
振り向かない君の
後ろ姿
ガラスの影に映るまなざし
その瞳に引かれて揺れる
言いたい言葉は
喉もとで止まったまま
雫の音だけが
二人をつなぎとめる
植物の花びら
かすかに揺れて
ノートの端に
気配を記す
先生も帰ったあと
がらんどうの教室
届けたい気持ちを
ビーカーにためこもうとする
でもふちからこぼれて
見えなくなってゆく
空ににじむ横顔
笑ったようなその影
そっと指を伸ばしても
届かない距離