冬眠前の洞穴で
あなたは少し笑った
言えないことばかり
パンツにしまったまま
森林の隙間から
見えた横顔のまま
まだ帰りたくないって
目だけで伝えてた
ねえ、あと少しだけ
このままでいたい
明日のことなんて
今はまだいらない
冬眠前の約束
離さないで
右手の中
名前を呼んで
テンペランスと
消えないで
大きな風が吹いて
前髪を揺らしたとき
あなたの右手が
そっと触れて止まった
いつもは強がりで
笑って誤魔化すくせに
今日はほんの少し
香りが嗅げた気がした
右手をそらさないで
壊れそうな夜も
この香りなら大丈夫
もし冬眠したら
右手はあそこへ
貴方の香りを
わけ合いたいから
あの日のままで
なんて言わない
変わっていく二人を
信じたいだけ
ここにいて